人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
小児に対するIABPの適応とその問題点
岡林 均廣瀬 光荻野 均神野 君夫西村 和修松本 雅彦野本 慎一岡本 好史伴 敏彦福増 廣幸
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 18 巻 2 号 p. 495-498

詳細
抄録
当教室で施行した小児開心術症例133例のうちIABPを術前, 術中, 術後のいずれかの時期に使用した8例を対象として小児に対するIABPの適応とその問題点につき検討した. 使用したバルーンカテーテルは東レ社製5例, SMEC社製3例, 容量は4mlから40mlであった. 圧波形上suprasystolic diastolic augmentationを認めたものは3例であり, うち2例はIABPからの離脱に成功した. 離脱不能例は右心系の術前評価に問題があったものが2例であり, 他の4例は積極的な流量補助が必要と思われた症例であった. 小児にIABPを施行する際には, 小児の大動脈の形状にあったバルーンカテーテルを用いること, IABP施行中の管理に際してはalphaadrenergic agonistの併用が重要と思われる. IABPの適応は成人例と同じく圧補助が原則であり, 流量補助を必要とする症例に対しては積極的に何らかの流量補助を早期に導入すべきと考えられた.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top