人工臓器
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リニアアクチュエータを用いたエレクトロハイドローリック方式補助人工心臓システムの試作と動物実験による性能評価
矢倉 明彦妙中 義之高野 久輝野田 裕幸木下 正之巽 英介関井 浩義高谷 節雄阿久津 哲造大海 武晴土本 勝也
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1989 年 18 巻 2 号 p. 521-524

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抄録
完全埋込み型人工心臓の開発が切望されている。今回、将来の埋込み型への発展を目的としたエレクトロバイドローリック方式の補助人工心臓システムを試作し、動物実験によりその基本性能を検討した。システムはリニア直流モータを用いたアクチュエータを使用し、シリコンオイルを媒体として容量60mlのプッシャープレート型血液ポンプの駆動を行うものである。試作したアクチュエータの重量は1.8kg, サイズは0.8Lである。体重57kgの成山羊による動物実験では、最大拍出量は3.9L/分で、ポンプ拍動数では120bpmあるいは110bpmが、%sysでは40%がポンプの最大流量を拍出しうる駆動条件であり、低前負荷時においても流量維持能力は優れていると考えられた。試作したシステムは、性能の向上、エネルギー効率の向上を図る必要はあるが、埋め込み型への発展の容易さ、制御性の良さ、という点で今後極めて有力な駆動システムになりうるものと考えられる。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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