人工臓器
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左心補助人工心臓駆動時の自己心拍出量の非侵襲連続測定法の開発
―模擬循環回路における検討―
関井 浩義高野 久輝妙中 義之高谷 節雄野田 裕幸木下 正之巽 英介矢倉 明彦阿久津 哲造
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1989 年 18 巻 2 号 p. 642-645

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抄録
左心補助人工心臓(LVAD)駆動時、自己左室1回拍出量を動脈圧波形とLVAD拍出流速信号から連続的に推定することを目的に3種類の方法を考案し、模擬循環回路を使用して評価を行った。1法では動脈コンプライアンス、2法では末梢血管抵抗、3法ではインピーダンスをLVAD拍出毎に流量―圧関係として求め、自己左室拍出時の動脈圧波形を解析することにより、心拍毎に自己左室1回拍出量を推定した。実測拍出量と予測拍出量の間に各方法でr=0.84, y=1.13x+1.5 (ml), r=0.94, y=1.0x+4.0 (ml), r=0.94, y=1.0x+3.9 (ml)の良好な正の相関関係を得た。1法は他2法に較べやや相関性に劣ったが、この原因として、末梢動脈からの流出が考慮されていないことが挙げられる。また、3法では自己左室拍出による流速信号の予測も可能であり、本法により左心機能評価、不全心回復度判定等、LVAD使用中の循環管理がより向上するものと考える。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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