抄録
空気駆動型人工心臓の拍出量を知る為に、駆動ライン内を流れる排気流量を熱線型流量計で測定し一回拍出量を求める装置を開発、その有用性を模擬回路を使って検討した。ドノバン型模擬回路に装着したトーマス型人工心臓をLDP 180mmHg RDP 70mmHgで駆動、駆動数毎にセットを組み有効拍出量と本装置で測定した一回拍出量を直線回帰により解析した。各セット毎の相関係数はほぼ1.0で全データを合わせた直線回帰式は、左心がLSVeff=1.09LSVAir-12.3(ml)相関係数r=0.981、右心がRSVeff=1.18RSVAir-4.95(ml)相関係数r=0.989と測定装置として極めて有用と分かった。本装置は補助心臓にも適用可能な汎用性の高いすぐれた装置として期待出来る。また原理上得られる波形データはポンプの機械的トラブルを早期に検出する監視装置として高い有用性を持っており、知見の蓄積と装置の改良をすすめている。