人工臓器
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両心不全に対する右心補助人工心臓(RVAD)と両心補助人工心臓(BVAD)の効果
古賀 守長谷川 隆光塩野 元美折目由 紀彦畑 博明山本 知則八木 進也鈴木 修瀬在 幸安斉藤 敏三
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1989 年 18 巻 2 号 p. 665-668

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抄録
ブタを用いて右心優位の両心不全モデルを作成し, RVADを装着したものをI群, LVADも併用しBVADとしたものをII群とし, RVADのポンプ流量を増加させ, 経時的にLVADのポンプ流量, 総心拍出量, 右心機能, 左心機能を測定し, 両群を比較検討した。
I群では駆動陽圧が120mmHgを越えると, 補助率は50%以上となり, LAP, LVEDPの上昇, AoP, LVmax dp/dtの低下をきたし, 左心不全の増悪を認めた。これに対しII群では, LVADのポンプ流量はRVADのポンプ流量が増えるにつれ増加し, LVADによりPAPおよびLAPは低下し, 右室後負荷および左室前負荷を軽減させることで, 左心不全を改善し, 両心不全からの離脱も可能であった。両心不全例に対しRVADを装着した場合, その左心不全防止対策としてLVADを併用することは, 極めて有効であると思われた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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