人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
重症両心不全モデルにおける両心補助循環法の比較検討: pulsatile V-A ECMOとBVAD
入江 博之村上 泰治石野 幸三泉本 浩史菅原 英次名和 清人妹尾 嘉昌寺本 滋田中 隆高谷 節雄
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 18 巻 2 号 p. 673-676

詳細
抄録
二種類の両心補助循環方法、pulsatile ECMO(V-Aバイパス)とBVADを重症両心不全モデルにおいて比較した。実験には24頭の山羊を用い2群にわけた。ECMO群は右房脱血、上行大動脈送血としBVAD群は右房―肺動脈、左房―下行大動脈間をバイパスした。ポンプは空気駆動式プッシャープレート型ポンプを使用した。ECMO群は人工肺に外部灌流型を用い、呼吸を停止させた。
バイパス時間はECMO群9~27時間、BVAD群13~24時間であった。BVAD群は術前心拍出量とほぼ等しいポンプ流量が得られたが、ECMO群は経時的に流量の低下がみられた。
循環補助と同時に呼吸補助も行なうべき症例ではpulsatile ECMOが有用であり、循環補助のみを強力に行なうべき症例ではBVADが有効であると考えられた。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top