人工臓器
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補助人工心臓駆動時の心機能評価法
―新しい指標(Pmax/Ped)の妥当性に関する実験的検討―
麻生 俊英深町 清孝小江 雅弘岸崎 邦昭戸嶋 良博中村 祐一郎三谷 淳夫坂本 真人益田 宗孝真弓 久則木下 和彦川内 義人田中 二郎徳永 皓一
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1989 年 18 巻 2 号 p. 682-684

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抄録
補助循環中の心機能を評価することは障害心の回復経過, 及びその程度を知り補助循環からの離脱時期を決定する上で重要である. 補助循環中に障害心に負荷をかけることなく測定でき, 心室固有の特性の変化に反応する新しい指標(Pmax/Ped)を考案しその妥当性を雑種成犬14頭を用いて実験的に検討した. ドパミン5μg/kg/minを静注(n=6), あるいは心膜を切開し(n=8), それぞれ収縮期特性と拡張期特性を変化させPmax/Pedを測定した. Pmax/Ped値はドパミン負荷で19.0±7.0より28.6±12.6(p<0.02), また心膜切開にて33.5±6.2より43.8±9.8(p<0.01)へ有意に増加し, Pmax/Pedは心室固有の特性の変化に反応することが示された. 心室内圧を測定すればPmax/Ped値を指標として補助循環中の心機能の推移を連続的にしかも負荷を加えることなく評価できると考える.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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