人工臓器
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超音波ドップラー法による僧帽弁位人工弁の機能不全に関する検討
青木 淳黒住 要今井 茂郎神野 禎次高田 耕二重信 雅春妹尾 嘉昌寺本 滋
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1989 年 18 巻 2 号 p. 710-713

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抄録
僧帽弁置換術症例82例(St. Jude Medical弁(SJM弁)36例, Björk-Shiley弁(B・S弁)46例)を対象として, 超音波ドップラー法により, 人工弁機能を評価し弁機能不全を診断することを目的とし検討した。僧帽弁弁口面積(MVA)は, 超音波ドップラー法により測定したpressure half time(PHT)から220/PHTにて算出し, 左室機能, 人工弁の幾何学的弁口面積(Area), 体表面積(BSA), discの開放角度(Angle)との関係を検討した。SJM弁では, MVAとArea Index(Area/BSA)との間に有意の相関関係を認め, %Area Index(MVA/Area Index×100)は, 102.2±14.8%で, mean-2SDの73%以下の場合に弁機能不全と診断し得ると考えられた。B-S弁では, Angleが58度以下に低下した症例があり, これらの症例では, MVA, %Area Indexが低下していた。また, Angleと%Area Indexとの関係では, Angleが50度以下に低下した症例では%Area Indexが70%以下であり, 70%以下の場合に弁機能不全と診断し得ると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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