抄録
新しいleaflet-trypeの人工弁を開発した。この弁は、我々が10年以上前に開発したpocketless leaf valveの考え方の流れを汲むもので、弁機能の追求と抗血栓性の追求とを分離せしめるデザインから生まれたものである。この基本は、弁膜の自由縁と結合縁のどの部分も、自由縁の動きが制限されないように両者は充分に離れたデザインというものである。これには4種類の基本型があるが、その何れも弁機能としては我々が以前に開発したmodified duct ball valveにはかなわない。特に周波数特性で劣るのはleaflet valveの宿命であらう。しかし、外方固定縁型2枚弁は、その占有体積が極めて小さいからTAHの流入弁として非常に有望である。