人工臓器
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Standard profileおよびLow profile異種生体弁における僧帽弁位生体弁機能不全の比較検討
森川 雅之数井 暉久中西 克彦柳谷 晶仁塚太 勝伊藤 敏行山田 修小松 作蔵
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1989 年 18 巻 2 号 p. 794-799

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抄録
stent高の異なる2種のブタ異種生体弁, Hancock弁及びLiotta弁による僧帽弁置換術後遠隔期のprimary tissue failure (PTF)症例におけるevent free rate, 超音波ドプラ法による弁機能評価, 摘出弁の肉眼所見および軟X線所見に関し検索し両弁で比較検討した。
Liotta弁はHancock弁に比し, 高度の硬化狭窄性病変の出現以前の早期から弁尖破壊によるPTFの発生が高率であった。その原因としてstentのlwo profile化による弁尖のstressの増加が示唆され, low profile弁の耐久性に問題を残した。またstent creepingはHancock弁において弁機能不全の要因となりえ, stent改良の余地を残した。超音波ドプラ法による弁機能評価において, Hancock弁の血行動態はLiotta弁のそれに比し不良で, peak MNGよびMVAの両指標で有意差を認めた。なおpeak MVGは弁逆流に鋭敏に反応し, MVAは弁硬化狭窄性変化により相関する指標であることが示唆され, 本法の有用性を認めた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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