人工臓器
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僧帽弁位Duromedics弁の評価
―SJM弁, B・S弁との比較―
有川 和宏森下 靖雄湯田 敏行山下 正文下川 新二橋口 雅彦福田 茂木佐 貫彰平 明
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1989 年 18 巻 2 号 p. 800-803

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抄録
僧帽弁位Duromedics (DM)弁単独使用例20例を経験した。術後追跡期間は5.5-21.5ケ月、平均12ケ月と短期であるが、手術死亡、遠隔期死亡あるいは人工弁由来の合併症は1例も経験していない。DM弁評価のため、僧帽弁単独使用でのSt. Jude Medical (SJM)弁30例、Bjork Shiley (B・S)弁24例との比較を試みた。臨床上問題となるような溶血性貧血は対象例中1例もみられなかったが、血清LDH値、総ビリルビン値はSJM>DM>BS群の順で高値を呈し、SJM-B・S間では有意差がみられた。超音波連続波ドップラー法による弁機能評価では、各人工弁最大血流速度は1.4m/sec程度で差はなく、最大圧較差も同様と考えられた。しかし有効弁口面積に反比例するPressure Half Timeでは3群間に差がみられ、B・S>SJM>DM群の順で高値を示し、DM群はB・S, SJM群に比し有意に低値を示した。従って有効弁口面積からはDM弁がB・S, SJM弁に比し有利であると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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