抄録
VVIペースメーカーよりDDDペースメーカーへの再植込み症例の検討を行なった。対象は18症例(男5例、女13例)で、平均年齢56.7歳(39~70歳)であった。モード変更理由は、電池消耗によるもの16例、ペースメーカー症候群のため1例、リード断線によるもの1例であった。術後のNYHA心機能分類および心胸郭比は有意な改善を示した。しかし、合併心疾患を有する3例(心臓弁膜症、サルコイドーシス、拡張型心筋症)は心胸郭比の改善は得られなかった。今後の方針として、房室ブロック、洞不全症候群の電池消耗によるジェネレーター交換に対して積極的にDDDペースメーカーへの変更を行う方針である。しかし合併心疾患を有するVVIペーシング症例においてはペーシングモード変更手術に際し慎重な検討を考慮する必要があると思われた。