人工臓器
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透析治療時における患者の初期循環血液量の無侵襲計測法の開発
山海 嘉之太田 道男
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1989 年 18 巻 3 号 p. 1228-1231

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抄録

従来より開発してきた光波利用によるヘモグロビン濃度計測装置および体液系モデルを基に, 透析治療時の初期循環血液量の推定法を開発した。本ヘモグロビン濃度計測装置は体外循環血液チューブを発光部及び受光部からなる測定部に挟み, 発光部からの光が受光部に達するまでに血液中でどの程度減衰したかを測定するものであり, 本体液系モデルは簡易3コンパートメントモデルとして構成されている。
本推定法は透析治療時に体外循環している血液に光をあてるだけで初期循環血液量の同定を行なうことができ, 従来にない全く新しい計測法である。これにより, 治療時の循環血液量の経時的変化を相対的変化としてだけではなく絶対量の変化として捉えることが可能となる。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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