新生児用補助心臓は、チャンバー容積3-5me, ボール弁の弁口径4mmのものでは、犬での動物実験結果から総括的にみて希望があるが、成人用補助心臓の場合には潜在していても問題にならずに過ぎて来た問題が一斉に顕在化してくる感があり、その一つとして流入導管左房内開口部の血栓形成の問題があって、犬では慢性実験が成立しない。そこで、流入導管左房内開口部に次のような種類の工作を施してテストした。(1)単純シリコンゴム, (2)ゼラチンcoating gultaraldehyde処理, (3)cardiothenecoating, (4)gore-texgraft, (5)glutaraldehyde処理犬大動脈接続 等であった。結果は、gultaraldehyde処理犬大動脈接続導管のみ血栓形成がなかった。従って、犬で新生児用補助心臓の慢性実験をするには、(5)の流入導管を作製して行なうことが必要である。