抄録
補助人工心臓の自動制御用生体情報入力として、カニューラに内蔵した圧マイクロセンサの開発と評価を行なった。圧センサはピエゾ抵抗効果を応用した絶対圧型を使用し、圧力センサに測定圧以外の力が加わらないようにステンレスパイプで保持した。それを補助人工心臓の流入及び流出カニューラの先端近傍に装着し、その表面に抗血栓材料をコーティングした。圧力センサの温度特性を測定した結果、零点出力と圧力感度の温度依存性はともに小さく問題とならなかった。また市販のカテーテル先端型圧力トランスデューサとの圧波形の比較を行なった結果、良好な圧力感度と応答速度が認められた。模擬循環回路中での20日間にわたる使用後も圧力センサは良好な圧力感度と応答速度を維持し、その耐久性が確認できた。補助人工心臓を適用する際カニューラ内に圧力センサを装着することにより容易に圧力を測定することが予測でき補助人工心臓の自動制御システムへの応用の可能性を示すものと思われた。