1990 年 19 巻 1 号 p. 270-273
IABP離脱時期決定に際して, 従来どうり, SVI, CI, PCWP等の心機能面での指標を重視する事に関しては異論がない。しかし, これら指標によるIABP離脱後, 急激に状態が悪化する症例も経験する。これに関してSDR低値に起因する心内膜下虚血が関与する可能性の有無を検討した。SVI, CI, PCWP等を指標としたIABP離脱後, 離脱不成功であった症例におけるSDRは1:4, 1:8の状態で低値を示す傾向があり, IABP離脱直前のSDR値は特に重要であり, 0.8~0.7以下特に0.7以下の症例では心内膜下心筋の虚血が存在しIABP離脱を強行すると急劇な心機能低下をきたす恐れがある。IABP離脱の最終段階においてその成否を決定する重要な指標となる可能性が示唆された。