1990 年 19 巻 1 号 p. 275-277
僧帽弁位にOmnicarbon弁を用いた単弁置換症例(OC群)で、溶血の指標として血清LDH、血清ビリルビン及びHbを、人工弁機能の指標として超音波連続ドプラー法による、拡張期血流最大速度(Peak Velocity)と拡張期最大圧較差半減時間(Pressure Half Time)を測定して、St Jude Medical弁(SJM群)、Duromedics弁(DM群)及びBjork-Shiley弁(B-S群)と比較した。測定は一率に術後4週間前後の安定した時期におこなった。OC群では血清LDH及び血清ビリルビンは他の群に比して有意に低値を示し、OC、B-S、DM、SJM群の順で漸増した。Hb値での差はみられなかった。超音波連続ドプラー法によるPeak Velocityは各群間に差を認めなかった。Pressure Half TimeはDM群とOC群が他に比して有意に短かく、有効弁口面積の点で有利と考えられた。