人工臓器
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液化ガスによる人工心臓の駆動
阿部 裕輔鎮西 恒雄井街 宏満渕 邦彦藤正 巌渥美 和彦
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1990 年 19 巻 1 号 p. 3-6

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抄録
サック型やダイヤフラム型の血液ポンプを駆動できる新しい原理の人工心臓駆動装置を考案した。本装置の作動原理は下記のごとくである。1) 駆動源には液化ガスを使う。2) ガスは液体の状態で回路中に蓄えられ、この液化ガスが気化するときの圧を用いてサックやダイヤフラムを押し、血液を駆出する。3) 気化したガスは小型のコンプレッサーにより吸引圧縮され、熱交換部において冷却液化される。この際、陰圧がポンプにかかり血液を吸引する。この閉鎖サイクルの繰り返しにより血液ポンプが駆動される。今回、液化ガスにフロン114を用いたプロトタイプシステムを開発し、本駆動装置における作動原理の妥当性を確認できた。本装置の利点は、1) 陽陰圧のチャンバーを必要としないため、駆動装置の小型化が可能である、2) 一個のコンプレッサーで左右両心の回路が作れる、3) 閉鎖回路であり、かつ駆動装置内の容積が変化しないため、装置全体が体内に埋め込める大きさに小型化できた場合、体内埋め込みに際してコンプライアンスチャンバーを必要としないなどである。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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