人工臓器
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人工弁置換術前術後症例の運動負荷試験における酸素摂取量と運動負荷強度の関係について
守月 理川内 基裕松永 仁古瀬 彰
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1990 年 19 巻 1 号 p. 324-326

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抄録

人工弁置換術前術後症例83例を対象として自転車エルゴメータ運動負荷試験を行なった。
毎分10ワットの無段階漸増負荷を行ない、運動中の呼気ガス分析より無酸素性作業閾値(AT)を決定した。負荷は患者の症候限界までかけ、中止時の負荷を症候限界性最大値(MAX)とした。AT, MAXにおける酸素摂取量VO2, 運動負荷強度WATTをそれぞれ予測正常値に対する到達率で表わした。VO2の予測正常値はPosnerらの式より求めた。WATTの予測正常値は共同研究者の田村らが本研究と同様の運動負荷システムにより健常成人(男性88名、女性125名)の結果より算出した回帰式から算出した。%VO2ATと%WATT ATおよび%VO2MAXと%WATT MAXの間にはそれぞれ有意な相関関係が認められた。運動負荷試験の評価法として予測正常値に対する運動負荷強度到達率%WATTは簡便かつ有用な指標と考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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