1983年1月より1988年3月に当施設において、1512例の人工弁置換術が施行されたが、28例(1.85%)に人工弁感染による心内膜炎にて再弁置換術が施行された。17例が男性例であり、年令は平均36.7±12.9才(18-67)であった。術前NYHA心機能分類は11例がIV度、12例がIII度、そして5例がII度であった。8例は緊急手術例であった。置換弁は、1例がStarr-Edwards弁で、他は生体弁であった。血液培養では14例(50%)が陽性であり、5例にStreptococcus viridansが検出された。病院死亡率は28.5%(8例)で、1例に遠隔期死亡を認めた。死因は敗血症4例、低拍出量症候群2例、脳内出血1例、凝固機能異常による出血例1例であった。弁置換より心内膜炎症発症が1年未満の例、緊急手術例、血液培養陰性例は、各々他例に比し、死亡率が有意に高かった。遠隔期死亡は1例で、他19例は心機能分類1度に復帰している。