人工臓器
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衝撃緩衝材料を用いた人工弁固定リングによる水撃緩和効果の検討
浜中 喜晴大野 祥生福永 信太郎末田 泰二郎石原 浩松浦 雄一郎
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1990 年 19 巻 1 号 p. 339-342

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抄録

人工心臓駆動中におこる人工弁破損の原因の一つとして、人工弁が閉鎖する際の水撃現象による異常高圧の影響が考えられる。この水撃緩和を目的として、人工弁固定部に衝撃緩衝材料を用いた人工弁固定リングモデルを作製し、水撃緩和効果の検討を行った。人工弁固定リングの前後に衝撃緩衝材料を挿入可能な装置を作製し、人工弁固定リングモデルとした。衝撃緩衝材料を用いないで弁を固定したものをコントロールとし、シリコンを衝撃緩衝材料としたもの、及び開発中の特殊な材料を用いたものと比較した。人工弁閉鎖時の弁前後の圧差の最大値は%systoleの増加に伴つて増加し、最大開放位から急激に閉鎖される時点で最大となつた。弁前後の圧較差の最大値は、コントロールで最も大きく、次いでシリコンを用いたものであり、特殊材料を用いたものが最も小さく、人工弁固定リングに衝撃緩衝材料を用いた場合には水撃緩和効果が認められた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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