25名の透析患者において、透析液をacetate Na含有の酢酸透析よりbicarbonate Na主成分の重曹透析に変更した。変更前・後2年間の症状、血圧及び検査値について調査した。自覚症状が改善したのは8例、変りないのが13例、悪化したのが4例であった。貧血の進行した2例のうち、1例は透析液を元に戻すことにより貧血の改善を認めた。導入前に合併していた高血圧が酢酸透析導入後改善した11症例のうち6例が重曹透析に移行後高血圧を再発した。acetate Naの末梢血管拡張作用は透析患者の高血圧に対し降圧剤の役割をしている可能性が示唆された。