1991 年 20 巻 1 号 p. 82-84
従来のPAN-CX2を薄膜化し, グラジエント多孔質構造とすることにより改良されたPAN-DXについて性能評価を行なった。対象は安定期透析患者6症例, 透析条件はQB200ml/min, QD500ml/minであり, PAN-17DX(1.7m2)を使用した4時間の血液透析を行ない, 小分子量物質および低分子量蛋白の除去能に関して検討した。小分子量物質のクリアランスは, 尿素窒素172ml/min, クレアチニン145ml/min, 無機燐135ml/minであり, 低分子量蛋白のsieving coefficientはβ2MG0.51, アルブミン0.001とシャープな分画特性を示した。またβ2MGの除去率は55.9%, 透析液中への除去量は143.5mgと良好であった。