人工臓器
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維持透析患者におけるCuprophane膜およびEVAL膜使用時の造血能抑制物質除去能の検討
吉田 克法本宮 善恢
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1991 年 20 巻 1 号 p. 94-97

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抄録
最近、recombinant-EPOの臨床への導入と共に、維持透析患者においてuremic toxinの造血能抑制作用が再認識されている。今回、我々はCuprophane膜よりEVAL膜に変更した6症例において、膜変更による造血能抑制作用の変化について、mouse胎児肝細胞を用いたcolony forming unit of erythroid (CFU-E)由来colony形成によるbioassay法により検討した。
維持透析患者の血漿によるcolony形成は健常者の平均69.1個に対し、63.3個と造血能抑制因子の存在が示唆された。Cuprophane膜およびEVAL膜使用時、透析後の血漿は透析前の血漿に比較して、colony形成能において有意の上昇が認められ、造血抑制率も透析前で約20%、透析後で約17%と有意の改善が認められた。しかし、今回の検討ではCuprophane膜よりEVAL膜への膜変更による造血能抑制物質の除去能に関しては明かな差は認められなかった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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