人工臓器
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感染ペースメーカー症例の検討
白川 尚哉清水 健笹木 秀幹坂本 滋金戸 善之豊田 恒良
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1991 年 20 巻 3 号 p. 1013-1017

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抄録

ペースメーカー植え込み手術症例439例について、術後経過観察を行い感染症発生について検討した。経過観察期間は平均44年、1949患者・年であった。感染は11症例(25%)に発生し、13回の感染症を呈し、177患者・年に1例の発生であった。11例中9例(81.2%)の発生が1981年までに認められ、これらは全て大型の旧ジェネレーターが使用され、全例において皮膚壊死を認めた。近年、ジェネレーターの小型化に伴い感染は減少し、1982年以後の発生は2例のみで感染頻度は低下していた。また電極抜去困難例における心内遺残電極感染例では、体外循環使用を含む開心術が必要であるが、敗血症進展例2例について、1例は体外循環下に、1例は体外循環を使用せず、遺残電極を抜去し良好な結果を得た。今後、術中無菌操作を一層厳重に行うが、電極抜去困難例でやむなく全身感染に進展した場合、体外循環下に積極的治療を推進していく考えである。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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