人工臓器
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電気メスによる植込みペースメーカの受ける障害
水沼 裕光池田 晃治水野 明須藤 憲一小石沢 正森田 裕柳沢 肇海野 透理林 信成田所 雅克野口 顕一小久保 純佐藤 雅子吉崎 正人
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1991 年 20 巻 3 号 p. 1018-1022

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抄録

ペースメーカー(PM)植込み症例に電気メスを使用する場合を想定し、実験を試み、興味ある結果を得たので報告する。hardware base PM37台、software base PM13台の計50台(VVI37台、VVIR3台、DDD10台)を対象とした。電気メスはNeoMed社(USA)の3000aを使用した。PMが対極板と電気メス先端部の間に位置しなかった場合は、電気メスによる直接的な影響は観察されなかった。しかし、PMが対極板と電気メス先端部との間に位置する場合は、back-up modeへの移行などが観察された。とくに、最近市販されたPMに電気メスが直接触れた場合は、PMに組み込まれたsoftwareの破壊に至る装置も一部観察された。以上より、(1)電極を含めたPMが対極板と電気メス先端に入らぬ.よう留意する。(2)電気メスは決してPMに直接触れてはならない。(3)電気メス使用中は必ずモニターを完全にする。(4)術後はPMパラメーターの正常動作を必ず再確認する必要がある。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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