人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
新しい外部灌流式膜型人工肺D 703 COMPACTFLOの臨床使用経験
中山 正吾伴 敏彦岡本 好史野本 慎一岡林 均平田 和男武内 俊史織田 禎二
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 20 巻 3 号 p. 1091-1094

詳細
抄録

外部灌流式ホロファイバー人工肺(D703 COMPACTFLO;C群7例)の操作性、酸素加能、血液成分への影響、圧力損失を従来使用していた人工肺(Sarns 16310;S群7例)との比較をまじえ検討した。C群において全体外循環期間中血中酸素濃度は安定しており、CO2濃度は生理的範囲に保たれS群と差はなかった。血小板指数は大きな変化を示さず、血清遊離ヘモグロビンの体外循環時間あたりの増加率は0.39±0.19mg/dl/minと低く血液成分に与える影響は軽微であると思われた。D 703 COMPACTFLOは低充填量でありながら肺内圧力損失は小さく、送血量も7.5l/minまで可能で特に無輸血体外循環において有利であった。またコンパクトな設計で除泡も容易で、長時間の使用にてもガス交換能は安定しており臨床応用に充分耐えうる人工肺であると思われた。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top