人工臓器
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新しい外部灌流型膜型人工肺HF-5000の臨床応用
瀬戸島 謙三山下 正康諌本 義雄大野 兼市原 洋青柳 成明小須賀 健一大石 喜六
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1991 年 20 巻 3 号 p. 1087-1090

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抄録

Bard社製外部灌流式ホローファイバー膜型肺HF-5000(以下H群)を臨床使用し、同じ外部灌流式膜型肺Sarns 16310(以下S群)と比較検討した。
1. H群はS群に比較し、初期充填量が200ml多かった。2. H群はS群に比較し、酸素化能が高くガス交換操作の幅が大きいと思われた。3. H群のポリウレタン製熱交換器の熱交換能は面積を増加することによりS群と同等の熱交換率を得ていると考えられた。4. 人工肺前後の圧較差ではR群はS群に比べ低かった。溶血の一つの指標であるFree-Hbは、H群、S群共に低値を示し血液成分への影響も少ないと考えられた。6. 補本の活性化により産生されるanaphylatoxin C3a C4aの体外循環前後での変化は、両群とも体外循環後に高値を示したが、両群間に統計学的有意差はなかった。
以上の事よりHF-5000膜型肺は、臨床応用において十分な有用性があると思われた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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