人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
患者移送中も可能と思われる簡便な自動制御式体外循環法
高木 啓之高木 登志子早川 政史高橋 虎男掘田 壽郎
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 20 巻 3 号 p. 1300-1304

詳細
抄録
体外循環の自動制御は、生体情報を集めてコンピューターによる一括制御の試みでは成功していない。我々は、多極分散的に、先ず循環系のみを、Starlingの法則に従う我々のポンプに置き換えた。この方法では部分循環では、動静脈のカニューレとポンプを単純に閉鎖的につなぐだけで、生体とポンプとの落差で決まる循環量を自動的に維持した。血管との接続さえ出来れば、ICUでも、救急車の中でも、自動的に継続が可能と考えられる。一方、開心術用の完全体外循環では、開放系の吸引回路と閉鎖系の上述の回路との接続方法を種々テストした。体外循環安定後に、この接続回路を開通させると、血液は自由に移行しあえるので、1)静脈帰来量に自動的に追随し、2)循環血液量も自動的に目標値を維持できる。実際に、約20時間の自動制御を犬で実証できた。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top