1991 年 20 巻 3 号 p. 676-679
本実験の目的は歳差式遠心ポンプ、所謂Tea Spoon Pumpの左心補助(Bridge-Use)における有用性と安全性を動物実験により実証することであった。6頭の成羊を用い、4頭は完全左心補助、2頭は部分左心補助を行った。その結果ポンプ機能としては容易に4L/min以上の流量が維持でき、また、血液損傷も軽微で満足すべきものがあった。しかし、1)極度のhypovolemiaの状態で心室細動が起こると流量維持が困難であった。2)GOT、CPKの上昇、クレアチニン上昇例が見られ、立位を維持できたのは部分左心補助の1例のみであった等の問題があり非拍動流ポンプによる左心単独補助の再検討が必要と考えられた。