人工臓器
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体内埋込型補助人工心臓システムの開発
岡本 英治三上 智久三田村 好矩
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1991 年 20 巻 3 号 p. 680-686

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抄録

経皮的エネルギー伝送装置とモータ駆動補助人工心臓より構成する体内埋込型補助人工心臓システムの開発を行った。今回は、小型のボールねじの開発とチタン材料を応用し、モータ駆動補助人工心臓の小型・高効率化を図った。人工心臓アクチュエータは、アタッチメントの交換で、補助人工心臓と全置換型人工心臓を駆動できる。ポンプ一回拍出量は60mlで、大きさは補助人工心臓として使用時312ml、全置換型人工心臓として使用時497mlである。経皮的エネルギー伝送装置は、近赤外光を用い周波数分割方式で多重化した経皮的光通信系を内蔵し、体内出力電圧信号とポンプストローク信号の経皮的通信を実現した。開発した体内埋込型補助人工心臓システムをin vitro実験にて評価した。経皮的エネルギー伝送装置にて14Wの電力を伝送し、後負荷110mmHg, 拍動数80bpmにて4.61/minのポンプ拍出量を得た。モータ駆動補助人工心臓のエネルギー変換効率は、最高15%, 平均13%であった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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