人工臓器
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揺動円板型遠心ポンプの開発と水力学的特性に関する基礎的検討
壁井 信之飯田 浩道菅野 亮桜井 靖久土屋 喜一
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1991 年 20 巻 3 号 p. 777-782

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抄録
植込型人工心臓で大きな障害となっているポンプ容積を大幅に削減できる遠心ポンプは回転部のシールが問題となっていた. そこでこれを解決すべく新たに揺動円板型遠心ポンプを提案し, その性能の基本的検討を行なった. このポンプはポンプハウジング, シール膜, 揺動運動をする円板, 円板の中心に垂直に取り付けられた揺動軸, 揺動軸を揺動運動させる揺動機構, 揺動機構を動かす回転軸および回転軸に直結されたモータから成り立っている. シール膜の一端は揺動軸に固定され,他端もハウジングに固定されているので完全なシールが可能となる. 試作したポンプの円板直径は39mm, 血液室の最大内径は40mmである. 円板の揺動角を15, 25, 35度とすると血液室容積はそれぞれ約12, 17, 21mLとなった. 回転数3000rpmの時, 平均大動脈圧100mmHgの条件下で流量はそれぞれ約2, 14, 17L/minとなり15度以外は満足のいく結果が得られた.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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