人工臓器
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MR断層像から3次元モデラーを用いて求めた、人工心臓接続部位の形状に関する解剖学的検討
薦田 烈字山 親雄前田 肇
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1991 年 20 巻 3 号 p. 795-801

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抄録

摘出心2例のMR横断像またはMR左室長軸断層像をもとに, 完全埋込み式全置換型人工心臓の残余心臓との接続部位, 即ち, 房室弁輪・上行大動脈・肺動脈をコンピューター上で立体的に再構築し, 弁輪の形と大きさ・両弁輪の重心間の距離(DG)・僧帽弁輪と三尖弁輪を通る2つの平面が互いになす角度(RT)・僧帽弁輪を通る平面を基準とした大動脈と肺動脈のそれぞれの方位角(RA, RP)について, 摘出心の房室弁輪と上行大動脈・肺動脈を型どったシリコーン模型にもとづく再構築像と比較検討した。MR左室長軸断層像をもとに描出した房室弁輪の像は, MR横断像を用いたそれに比べて輪郭点を多くとれることにより, 変形を少なく描出できる可能性がある。さきの2例を含む32例について, 前記の測定項目をシリコーン模型をもとに同様に測定して統計量を求め, 2例の背景とした。結果はDG:4.17±0.43cm, RT:22.1±11.3度, RA:54.9±15.3度, RP:30.8±17.1度であった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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