人工臓器
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左心補助人工心臓(Novacor LVAD)の駆動状態に影響する諸因子の臨床的検討
宮本 裕治松田 暉Bp GRIFFITH
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1991 年 20 巻 3 号 p. 904-908

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抄録

米国ピッツバーグ大学において、1987年7月より1990年7月までの間に心移植待機中の患者20人に対しNovacor LVADを埋め込んだ。この際、患者の血行動態の変化と共にNovacor LVADの駆動状態が、充填量では24-70ml、残存血液量では1-18ml、ポンプ拍出量では2.8-8.2 l/minuteと大きく変動することを観察した。Novacor LVADは駆動条件が流入および流出部の血行動態に大きく依存するという特徴を有しており、右心系および体循環のいかなるパラメーターが本LVADの駆動状態に影響するのかを検討した。重回帰分析を用いた結果、充填量はPVR, RVSWI, PCWPと、残存血液量はSVR, CVPと、またポンプ拍出量はRVSWI, PVR, SVRと有意な関係があった。一方、大動脈圧, 肺動脈圧, RVEFは各指標とも有意の関係を認めなかった。以上より、Novacor LVADの駆動状態はPVR, SVRおよび右室仕事量に依存していると考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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