人工臓器
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経心室固定法による, 弁輪-乳頭筋連続性を保った新しい房室生体弁の開発
―第一報―
西田 博Rk GROOTERS廣田 潤遠藤 真弘橋本 明政小柳 仁
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1991 年 20 巻 3 号 p. 945-947

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抄録

房室弁置換において弁輪-乳頭筋の連続性温存による良好な術後心機能保持を主目的とし, 主に腱索部の乳頭筋, 左室への固定法に焦点を診いて新しい概念にもとづく生体弁を考案試作した。グルタールアルデヒド処理の牛心膜を用い, 弁輪部はflexibleなdacron製のsewing ringにて弁葉をはさみこむかたちで形成されている。2葉弁の各弁尖はdacron製の人工腱索に固定されておリステントは存在しない。この腱索を左室腔よりSeldinger法の要領で心外に引き出し,sewing ringを弁輪部に縫着後, 水試験下などで腱索の長さを決定しプレジェット付の3-0 Prolene糸にて心室外で固定する。羊を用いたprelim inareyな動物実験において腱索固定法, 弁の心機能特性に関しては満足し得る結果が得られたが, 弁葉部分のたるみなどを改善するため3次元的立場に立脚したデザインの改良が今後の課題と思われた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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