人工臓器
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Duromedics弁の弁葉早期閉鎖運動に関する検討-Valve orientionとの関係について-
宮沢 総介松井 道彦鈴木 和彦小柳 勝司坂本 吉正矢田 雄滋芝田 貴裕新井 達太
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1991 年 20 巻 3 号 p. 955-958

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抄録

Duromedics弁の弁葉早期閉鎖運動について26例を対象に, 心エコー図法を用いて観察し, 特にValveorientationとの関係について検討した。本来の方向に固定したものをA群, 交連に直交する方向で固定したものをB群とした。その結果, 1)SR, Paeingの例では, あきらかな早期閉鎖はなく, Af例のA群で100%B群で70%において認められた。2)早期閉鎖する弁葉はA群ではすべて後方, B群ではいずれの弁葉にも認められた。3)早期閉鎖に要する最短のR-R間隔はA群: 1046±166msec, B群: 1193±204msec, で差はなかった。開放時から早期閉鎖までの時間をR-R間隔で除した値はA群: 0.29±0.06, B群: 0.41±0.10でB群で有意に大であった。
早期閉鎖運動は弁の固定方向と密接な関係を有し, 交連に直交して固定すると早期閉鎖は生じにくく, 生じても遅い時相にみられ, 弁葉の位置も一定ではなかった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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