人工臓器
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心臓代用弁の加速耐久試験装置に関する検討
菊田 幸明勇田 敏夫下岡 聡行三田村 好矩
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1991 年 20 巻 3 号 p. 986-989

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抄録

人工弁の耐久性評価は、人工弁開発において最も重要な評価の一つである。従来、弁耐久性評価は弁開閉回数に依存した加速耐久試験法が用いられているが、水撃現象による急激な圧力上昇が発生する装置内では必ずしも耐久性に関する正確な情報は得られない。そこで、我々は数種の加速耐久試験装置について検討し、新たに心臓代用弁の耐久性評価を目的とした加速耐久試験装置を考案・試作し、弁開閉回数と流入流量を変化させ、弁に作用する水撃圧および弁開閉状態について評価した。結果より、水撃発生時の圧力差(WH差圧)はポンプからの流入流量に対して、2次曲線的な増加傾向があることが示され、ダクト回転数に対しては指数関数的な減少傾向があることが示された。また、弁開閉は流入流量の増加によって向上し、流入流量22.7l/min以上、ダクト回転1000rpmで100%の開閉が確認された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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