人工臓器
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Björk-Shiley弁による僧帽弁置換術後再手術症例の検討
田中 稔堀田 壽郎柵木 隆志竹内 栄二阿部 稔雄
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1991 年 20 巻 3 号 p. 981-985

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抄録

人工弁置換術後に人工弁不全が発生した場合, 患者救命には適切に再手術を行うことが大切である。当教室ではBjörk-Shiley(B-S)弁を第一選択の人工弁としてきたが, ここではB-S弁を用いて僧帽弁置換術(MVR)を行った症例を対象として, 僧房弁位B-S弁機能不全に対し再手術を必要とした症例について報告する。対象: 1980年10月以降B-S600convex-concavedisc(60CC)弁あるいはMonostrut(MS)弁を用いてMVRを行った147例を対象とした。結果: 60CC弁症例は43例(44回)で入院死亡4例(9.1%), 遠隔死亡6例(2.6%/患者・年), 再手術3例(1.3%/患者・年)。再手術の原因は血栓弁(術後8年に再手術), 弁周囲逆流(1年), outlet strut fracture(7年)。MS弁は106例(106回)で入院死亡2例(1.8%), 遠隔死亡4例(1.5%/患者・年), 再手術3例(1.1%/患者・年)。再手術の原因はdiscの可動性障害2例(術直後), 感染1例(1年)。再手術の結果は弁周囲逆流の1例を除き全例救命した。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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