人工臓器
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CVVHDの有用性に関する検討
嶋岡 英輝安宅 一晃重本 達弘河崎 収佐谷 誠西村 清司
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1991 年 20 巻 5 号 p. 1421-1424

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抄録

近年, 急性腎不全を伴う重症例に対して, 循環動態に与える影響が少なく簡便に行なえる持続的血液濾過(continuous hemofiltration)が繁用され, 急性腎不全症例の救命率を向上させる効果が期待されている. しかしながら, CHFは血液浄化を限外濾過のみに依存するために, 異化亢進を伴う症例においては, 1日20l以上の濾液量を要することもまれではない. そこで, CHFの溶質除去能を向上させるために, CVVHD(con-tinuous venovenous hemodialysis)の併用を試みた. その結果, CVVHD併用症例においては, CHF単独施行例に比較し, 血清クレアチニンの一日変化率は有意な低下を示した. また, CVVHD施行中の溶質除去効率は, 透析液流入速度, 透析液量に影響されることも判明した. 以上の結果より, CHFに比較し溶質除去能に優れ, また大量の補充液が体内に直接流入することがないCVVHDの併用は, 急性腎不全を伴う重症例の管理において有用な一手段であると考えられた.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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