人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
人工血液ネオレッドセル(NRC)の酸素運搬能と循環系への影響
薄場 彰宮沢 正紹三浦 純一遠藤 幸男井上 仁元木 良一坂口 圭介鈴木 一好比高橋 晁
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 21 巻 1 号 p. 304-308

詳細
抄録
ストローマフリーヘモグロビンをリポソームに内包したネオレッドセル(NRC)の循環系への影響と酸素運搬能を血液交換実験で検討した。体重10.0-13.0kgの雑種成犬8頭を用い静脈内麻酔下に調節呼吸としroom airを吸入させた。大腿動脈より脱血し、大腿静脈より等量のNRC(Hb濃度5.6g/dl)で置換した。交換率88%未満の4頭をI群、88%以上の4頭をII群として比較し以下の結論を得た。血液交換後、全末梢血管抵抗指数(TPRI)が減少して心指数(CI)が増加した。II群の方がI群より顕著で、全血より粘度が低いNRCが循環系の負荷を軽減したと思われた。一方、NRCに結合するヘモグロビン1g当りの酸素量は赤血球より多く、NRCの動静脈血酸素含量較差(A-V較差)が増加した。そしてCIとA-V較差の増加により酸素消費量が増加した。NRCは需要を満す充分量の酸素を供給した。以上NRCは循環、酸素運搬の両面で天然赤血球を超越していた。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top