“医”と“工”の間のコミュニケーション不足および人工臓器開発の特色からくる現状の連携における問題点について考察した。当施設における研究例を挙げ、“医”と“工”の理想的な連携を探り、より多くの省庁、大学等の工学系研究者の人工臓器分野への参画の必要性を述べた。理想的な連携を確立するために、人工臓器学会に対して以下のことを提案した。(1)“医”と“工”双方にとり魅力ある研究領域の育成。(2)“医”と“工”のディスカッションの場の提供。(3)新しい人材の発掘。今後、人工臓器学会がその特色を活かし、より高度の“医”と“工”の連携を生み出すことにより人工臓器の開発、研究に新しい息吹を吹き込むことに期待する。またそれが強いては境界領域から人工臓器という専門領域への移行にもつながる道と考える。