抄録
補助人工心臓(VAD)による循環補助が、自律神経活動に及ぼす影響を把握するために、圧受容体に直接影響を与える大動脈圧と心拍変動の相関スペクトルを解析、検討した。その結果、非同期駆動、同期駆動を問わず、0.1および0.3Hzを中心とする心拍変動に対する大動脈圧の高い相関を認めた。特に、収縮期圧、脈圧については、すべての駆動条件下で極めて高い相関を示し、収縮期圧、脈圧の情報が自律神経中枢に伝達され、心拍変動の発生に関わっている可能性が示唆された。同時に解析した体血管抵抗の変動の解析では、心拍変動、大動脈圧と高い相関を持つ0.05Hzを中心としたスペクトルのピークのみが認められた。今後さらに検討が必要であるが、心拍変動と大動脈圧の相関スペクトルの解析が、VAD駆動下の、自律神経系を介した心拍変動の発生メカニズムを明らかにする可能性を持つことが示唆されたと考えられる。