抄録
補助人工心臓の駆動時には、循環動態のモニタや異常の検出が迅速かつ連続的に行なわれる必要がある。我々は、左心補助人工心臓(LVAD)の拍出時間区間にパラメータ推定によって拍出流量を入力、大動脈圧を出力として2要素windkesselモデルで表わした血管系のシステム同定を行い、ついで自然心の拍出時間区間で入出力関係を逆にしてリアルタイムで連続的な自然心拍出流量の推定を行なう方法を開発した。動物実験では心拍出量を急速な容量負荷によって変動させ、推定値と実測値を比較検討した。推定された流量波形は、実測と比較しやや振動がみられるものの、LVAD駆動のタイミングを心電図R波より約50%遅れとすること、モデルにパラメータとして電圧減を附加し、さらに流量と圧測定の間に存在する時間遅れを考慮することにより、流量波形の積分値として得られる一回拍出量は実測値ときわめて良好な相関を示した。