抄録
左心室補助心臓(LVAD)の脱血方式はカニユーラ先端の位置によって, 左心房脱血方式と左心室脱血方式の二つに分けられる. これまで, 左心房脱血方式によるLVADの心補助効果を心力学的に検討してきた. 今回は, 左心室脱血方式の心補助効果を血行動態的のみならず心力学的に解析するために, 健常心についての急性動物実験で, 超音波センサを用いて左心室径と心筋長を測定し, 左心室全体および局所心筋の仕事量を計算した. LVADは心拍数対ポンプ拍動数比1:1, 2:1および4:1の心電図同期カウンタパルス法, 拍動数60および80beats/min(bpm)の固定拍動数法にて駆動した. その結果, 4:1モードを除くすべての駆動モードで, 完全バイパスが得られた. また4:1モード以外のどの駆動モード下でも, 左心室全体および局所心筋はほとんど仕事を行わず, 100%に近い減負荷効果が得られた. このことから左心室脱血方式は, 強力な循環補助能力および減負荷効果を有しており, 左心房脱血方式よりも有効である可能性が示された.