人工臓器
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1-compartment modelによる尿素を指標とした至適透析の有用性
峰島 三千男星野 敏久江良 和雄仲里 聰久保 和雄佐中 孜寺岡 慧阿岸 鉄三太田 和夫
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1993 年 22 巻 2 号 p. 320-324

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抄録
尿素に関する至適透析の有用性を1-compartment modelを用い検討した。まず, 週3回の維持透析を受けている78例の慢性腎不全患者の週中間透析日前後および週最終透析日前BUN濃度を測定した。これを尿素の体内分布容積V, 生成速度G, ダイアライザのクリアランスKを時間に対し一定とおいたmodelの解析解に代入し, KVV, G/Vならびに週間平均濃度TAC(x)の諸値を算出した。実測BUN濃度の時間平均値としたTAC(y)との間にはy=0.643x+13.1(r=0.898)の高い相関が得られたが, yはxより平均で8.2%低値を示した。これはV, Gの変動に起因するものと思われた。さらに同一ダイアライザ(FB-190U)を用いた23例の患者について総括物質移動係数K。を性能評価式より算出したところ, 0.0247±0.0050cm/minとなった。以上の結果より, 目標とするTAC値を満足させるKt/V→K→QBが患者(固有のG/V)ごとに設定可能となった.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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