精製ヘモグロビン(Hb)を重合リン脂質系二分子膜で被覆したHb小胞体(略称:ARC)を用いて、アロステリック因子添加系での酸素親和性と糖添加系での粉末製剤化を検討した。ARCの酸素親和性は、所定量のピリドキサール-5-リン酸ナトリウムあるいは2,3-ジホスホグリセリン酸ナトリウムに塩素イオンを共存させることにより、ほぼ赤血球同等値(P50=27.0mmHg, OTE=25.0%, n=2.5)に調節可能となった。さらに、糖添加系の凍結乾燥粉末ARCは、注水再生後に粒径変化, 内包Hb漏出, MetHb生成がほとんど観測されず、酸素親和性も脱水前と同等値に再現できた。