抄録
過去5年間に術後心原性ショック15例に対し補助人工心臓(VAD)を用い, 5例に対し経皮的心肺補助装置(CPS)を用いた。VAD患者の年齢は22から73歳(平均55), 男8例, 女7例である。9例は弁置換5例は冠動脈バイパス, 1例は心室中隔穿孔閉鎖を行った。補助循環時闇は6時間から9日(平均3.9日)であった。CPS想者の年齢は49から68歳(平均57), 男4例, 女1例である。1例は弁置換, 1例は冠動脈バイパス, 2例は胸部大動脈瘤置換術, 1例は左室瘤切除を行った。CPS時間は4時間から8日(平均2.8日)であった。VAD患者は13例が離脱し, 8例が生存した。合併症は出血5, 腎不全4, 感染3, 心不全4, 脳梗塞1, 術中心筋梗塞1, 不整脈1, イレウス1であった。VAD患者8例の追跡期間は2から56カ月(平均28カ月)で, 5例がNYHA1度, 2例が2度, 1例が3度であった。CPS患者は4例が離脱し, 3例が生存した。合併症は出血3, 腎不全2, 心肺不全1であった。CPS患者3例の追跡期闇は6から18ヵ月(平均10カ月)で, 2例がNYHA1度, 1例が3度であった。V-Aバイパスは, 補助循環からの離脱率においてVADと同様優れた成績を示したが, 重篤な合併症が見られた。