人工臓器
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ガラス状カーボン電極(OsypkaDS58V)のステロイド溶出化への試験的研究
勝本 慶一郎新堀 立
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1994 年 23 巻 1 号 p. 188-192

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抄録
ペーシング電極は、植え込み後7-10日後までに異物反応により刺激閾値の上昇をきたす。
我々は、ガラス状カーボン電極表面よりステロイドを溶出させることによって刺激閾値を低下させることができるかどうか検討した。燐酸デキサメタゾンナトリウム(DSP)を電極挿入時に、ジメチルシリコンオイルに溶いて電極表面に塗布する方法はあまり効果が見られなかった。そこで、ガラス状カーボン製のDS58V電極に直径300μmの4ヶの孔をあけ、その中にDSPをシリコンゲルに分散させたものを充填する方法を行った。その結果、心房ならびに心室ペーシングのいずれも植え込み後7日目のエネルギー閾値が充填していない群と比較して低く抑さえられた。市販のCapsure 4003型電極と比べ、ステロイド溶出DS58V電極はエネルギー閾値上昇が低く、初期目的は達成された。しかし、遠隔期の閾値は、今後さらに検討が必要である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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