人工臓器
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側孔つきintroducerを用いたIABP挿入駆動~下肢虚血防止の工夫~
山西 秀樹渡辺 直林 和秀打田 俊司
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1994 年 23 巻 1 号 p. 22-24

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抄録
IABPのintroducerに側孔を開けたものを作製し、最も多く経験される下肢虚血の合併予防を試みた。同じIABP製品(TMP社製、9.0Fr)を用いた検討で、従来のシース使用例108例(A群)、径1mmの38個の側孔を開けたin-troducer(10Fr)使用例176例(B群)と、シースレスIABP(Datascope社、9Fr)(C群)とで合併症について比較検討した。A群では16.7%(18例)、B群で5.7%(10例)、C群で3.3%(1例)であった。B, C群はA群と比較して有意に合併症発生率が低かった(共にP<0.005)。B群とC群において発生率に有意な差は認められなかった。IABP挿入側の大腿動脈が細小な症例にも、下肢に血流が維持される側孔の工夫は有用であった。シースレスも下肢虚血防止に有用だが、皮下脂肪の厚い場合や挿入部のdilationが不十分な場合は挿入に無理がかかり血管を損傷する危険があるため、側孔つきintroducerの使用が安全かつ有用であると考える
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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