抄録
我々は獣医学領域で開発された小動物用人工心肺装置および回路を心臓外科研究領域に導入した。この人工心肺装置本体は3台のローラーポンプ、冷温水槽、各種温度センサーを一体化し500(W)×1050(H)×550(D)mm、120kgとコンパクトになっている。送血量は常温下100ml/min/kgの条件で2~50kgの動物に対応可能である。回路はシートリザーバーにオープンリザーバーを組み込んだ半閉鎖回路を使用した。最終的に最低回路充填量はL型同路で317ml、S型回路で169mlが可能となった。充填量を減少させることにより周術期の急激な体液量変化、高度希釈体外循環を予防でき、術後管理が困難であった小動物の慢性実験が容易に行うことが可能と考えられる。